診断が1本できるまで|診断BUZZ編集部の制作舞台裏
診断BUZZでは、これまでたくさんの診断を作ってきた。心理テストもあれば、恋愛系も、ネタに振り切ったものもある。たまに「これ毎日どうやって作ってるんですか」と聞かれることがあって、正直に答えると「毎回けっこう泥臭くやってます」になる。
この記事は、その泥臭い部分の話だ。診断が1本できあがるまでに、編集部が何を考えて、何回つまずいて、何を直しているのか。きれいごとは抜きで書いてみる。診断を作る側の頭の中を覗くと、いつもの診断がちょっと違って見えるかもしれない。
まず「お題」で9割が決まる
診断作りでいちばん時間をかけているのは、実は文章でも画像でもない。「何を診断するか」を決めるところだ。ここを外すと、あとの作業がどれだけ丁寧でも刺さらない。
編集部がお題を選ぶとき、毎回しつこく確認していることが3つある。検索する人がいるか、検索したときに引っかかるタイトルか、そしてそのテーマを面白がってくれる人がどれくらいいるか。この3点をクリアしないお題は、どれだけ自分たちが「面白い」と思っても一旦保留にする。
ここで一度、恥ずかしい失敗を白状しておく。あるとき「オーラの色」をテーマにした診断を作ろうとして、編集部内で最初に出たタイトルが「もし、あなたのオーラが色で見えるなら?」だった。雰囲気はある。エモい。でも、よく考えたらこの言葉で検索する人なんていない。「オーラ 色 診断」と打つ人はいても、「もしオーラが色で見えるなら」なんて誰も打たない。結局「オーラの色診断」というシンプルな名前に戻した。かっこよさより、ちゃんと見つけてもらえることのほうが大事だった、という当たり前の話だ。
この一件以来、編集部では「問いかけっぽいタイトルが正解とは限らない」を合言葉にしている。「もし、あなたが妖怪だったら?」のように、仮定そのものが面白いテーマなら問いかけ型が効く。でも「精神年齢」や「オーラの色」みたいに、すでに探している人がいる言葉は、ひねらず素直に出す。テーマによって正解が違う、という当たり前を、私たちは失敗して学んだ。
6つのタイプを、どう振り分けるか
お題が決まると、次は結果のタイプ作りだ。診断BUZZの診断は、基本的に6タイプに分かれる。この6つの設計に、実はそれなりのこだわりがある。
まず、レア度をつけている。★1から★6まであって、いちばん上の★6はSSR、つまりいちばん出にくい特別枠だ。ここで毎回考えるのが、★6をどういう存在にするか。だいたい2つの方向がある。
ひとつは「最強を引いた爽快感」型。妖怪診断なら九尾の狐、ギリシャ神話の神なら全能の主神ゼウス、というように、誰が見ても「うわ、いちばんすごいの出た」となるタイプを置く。ガチャを回して当たりを引く感覚に近い。
もうひとつは「問いを裏切る」型。たとえば「もし人間じゃない何かに生まれ変わるなら?」という診断で、いちばんレアな★6を「それでも、人間でいたい魂」にした。人ならざるものを選ぶ診断なのに、最後の最後で人間に戻ってくる。この裏切りが、ちょっとした余韻を残す。
どちらにするかは、テーマの空気で決める。盛り上がってナンボのネタ診断なら前者、しっとり自分と向き合う診断なら後者、という感じだ。
そして地味だけど大事にしているのが、★1を「ハズレ」にしないこと。レア度が低い=ダメ、にはぜったいにしたくない。精神年齢診断で「永遠のこどもタイプ」が★1だけれど、本文では「いつまでも人生を楽しめる、最強のギフト」として書いている。出たレア度がなんであれ、読んだ人が少し前向きになれること。これは編集部が譲らないルールだ。
ネタバレは、面白さを殺す
診断の本文を書くときに、ひとつ徹底していることがある。「ほかの5タイプの名前を、本文に出さない」だ。
理由はシンプルで、診断の楽しさの大半は「自分以外は何が出るんだろう」という好奇心と、「友達と見せ合いたい」という気持ちでできているからだ。もし結果ページに「対照的なのは○○タイプ」なんて書いてしまったら、その瞬間にネタバレになる。全部のタイプを知ってしまったら、もう一回引く理由も、友達に回す理由も薄れてしまう。
だから編集部は、自分のタイプのことだけを、めいっぱい語る。ほかのタイプには触れない。地味なルールだけれど、これが「もう一回やってみよう」「あの子にも送ってみよう」につながっていると信じている。
ちなみにこのルール、神話や妖怪みたいに固有名詞がテーマのときは、ちょっとだけ緩める。ゼウスの説明で「ほかの神々を束ねる」と書くのは避けようがないからだ。でも「ほかのタイプも引いてみてね」みたいな直接的な誘導はしない。さじ加減の話だけれど、こういう細かいところを毎回悩んでいる。
「作った」と「ちゃんと動く」は、別物だった
これは完全に裏側の話だ。編集部には、診断を公開する前に必ず通す確認の工程がある。中身の細かい話は企業秘密にさせてもらうけれど、ざっくり言うと「どのタイプもちゃんと出るか」「遊んだ人がきちんと結果にたどり着けるか」を、念入りに見ている。
なぜそこまでやるか。理由は、過去に痛い目を見たからだ。完成したと思って気を抜いた診断で、公開前のチェックを怠ってトラブルを起こしたことが、一度や二度ではない。あのときの「やってしまった」という感覚は、いまでも忘れられない。
そこで学んだのが、「作った」と「ちゃんと動く」はまったくの別物だ、ということ。頭の中で完成していても、実際に遊んでみると思わぬところでつまずく。だから編集部では、公開前の確認をほとんど儀式のように繰り返している。地味だけれど、ここを飛ばすと必ずどこかでしっぺ返しが来る。何度もそれを味わってきた。
キャラクターの世界観も、毎回変える
診断BUZZの結果は、トレカ風のカードで表示される。このカードの絵柄も、診断ごとに世界観を変えている。
たとえば妖怪や神話なら、和風で荘厳な美麗イラスト。仕事や自虐ネタ系なら、ゆるくて笑えるちびキャラ。占いや心理テストなら、神秘的で耽美な雰囲気。最近はドット絵の路線も増やした。同じトーンが続くと飽きるし、毎回「次はどんな絵柄だろう」と期待してほしいからだ。
絵柄を変えるのは手間がかかる。正直、同じテンプレを使い回したほうが楽だ。でも、診断を引いたあとに出てくるカードが毎回ちょっと違う景色だと、コレクションしたくなる。全部集めたくなる。その気持ちを大事にしたくて、面倒でも世界観を振り分けている。
それでも、いちばん大事なのは
ここまで裏側の話をしてきたけれど、結局のところ編集部がいちばん気にしているのは、出てきた結果を見た人が「ちょっと嬉しい」と思えるかどうか、それに尽きる。
診断は占いでも医学でもない。当たるも当たらないも、本当は半分くらいネタだ。でも、出た結果を友達に見せて「わかる〜」と笑い合えたり、「意外とそうかも」と自分を少し肯定できたり、そういう小さな瞬間を作れたら、その診断は成功だと思っている。
だから編集部は、ネタに振り切った診断でも、どこかに前向きな一言を残すようにしている。失敗もたくさんするし、毎回つまずきながらだけれど、「遊んだ人がちょっと笑顔になる」というゴールだけは、ぶれないようにしている。
次に診断BUZZで何かを引くとき、その裏でこんな試行錯誤があったことを、ちょっとだけ思い出してもらえたら嬉しい。
気になった診断があれば、ぜひ実際に遊んでみてほしい。この記事で触れた精神年齢診断やもし、あなたが妖怪だったら?診断、オーラの色診断あたりは、まさにこの舞台裏を経て生まれたものだ。心理テストから恋愛系、ネタ全開のものまでそろっているので、友達と見せ合うと、たぶんもっと面白い。
診断BUZZの制作の裏側を知ったあとに遊ぶと、結果カードの見え方も少し変わるかもしれない。気になるテーマがあれば、診断一覧 から気軽に試してみてほしい。